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テラレジア・クロニコ

テラレジア・クロニコ

【完結】

1980年代の前半、大陸の西端で大西洋に面した小さな国、テラレジア共和国。非凡な力を持ったテラレジア王家の末裔アークとテラレジア一の喧嘩屋フェルドの二人は、この国にのさばる悪人共を王の威をもって須く罰するための戦いに身を投じていく、シュルレアリステッィク王政復古クロニクル。


ストーリー

西ヨーロッパから北アフリカにかけて広大な版図を手にし、アメリカ大陸まで影響力を持った強大な王国、テラレジア。時代と共に覇権を明け渡し、十九世紀の隣国フェデライトへの敗戦を期に王政が廃止、テラレジア王家は辺境の孤島に一世紀の流刑を言い渡された。

時は遷って現代のテラレジア共和国、ある男が初めて首府の土を踏んだ。失われたはずの王家の秘宝、王珠を手にしたアーク・ウエスト・〝テラレジア〟こそ、100年の時を経て本土に舞い戻った正当な王家の末裔であった。それと同じ日、「テラレジア一の喧嘩屋」ことフェルド・スターも10年の刑期を終えて刑務所を出所していた。何のえにしか出会ってしまった二人は王の威光を取り戻すため、我が物顔で振る舞う悪党共を須く罰する戦いへ身を投じる。一方、そんな二人に出会ったひよっこ新聞記者のカノン・ライカは二人の活躍を記した現代版・王国の年代記『テラレジア・クロニコ』の執筆を担うことになる。


作品の読み方

「○-○」と番号が振られているのがストーリーの中心となるマンガです。順番に読み進めてください。

「EX○-○」と書かれているのはマンガ本編に並行した内容の小説です。それぞれ本編の番号と対応しているので、該当する話をご覧になってから読むことをお勧めします。各話ごとに閲覧してもよし、マンガ本編を一気読みしてしまってから読み返してもよし。

「Another Episode」とあるのは本編の内容に関連したおまけマンガです。各章の最後についており、それぞれの章を読み終えてから読むことをお勧めします。


「登場人物」「用語」及び「スペシャル」タブでは作品を深く楽しむためのコンテンツを掲載しています。


アーク

アーク・ウエスト・〝テラレジア〟

Ark West "Terralezia"

テラレジア王国の王政廃止に伴って大西洋の島に一世紀の流刑となったテラレジア王家の末裔。王政廃止からちょうど100年を迎えて本土の首府にやってきた。正統な後継者の証たる、王家の三宝の一つ「王珠」を持っている。

フェルド

フェルド・スター

Feld Star

自称「テラレジア一の喧嘩屋」。アークが初めて本土の土を踏んだのと同じ日、自らは10年の刑期を終えて刑務所を出所した。二人は偶然出会い、共に王政復古のための戦いを始めることになる。

カノン

カノン・ライカ

Canon Leica

テラレジオ・ポスト分社に勤める新米記者。アークとフェルドの活躍を描いた連載記事(ほとんど小説に近い)『テラレジア・クロニコ』を執筆しつつ、いつも二人に振り回されている。失踪した父親がくれた品であるポラロイドカメラを常に持ち歩いている。

エリセア

エリセア

Erisea

テラレジア清教の尼としてバロン大聖堂で身を修める女性。尼寺内では大尼僧の地位にいて、実質上の尼のトップにあたる。出家して神の道に入ったため、清教の慣習として姓を持たない。

大統領

大統領

Prezidanto

テラレジア共和国の大統領。名はローガン・モルド。それ「以上」でもそれ「以下」でもない。

テラレジア

大陸の西端にあって大西洋に面した国。古くは一体を支配下においた西ローマ帝国の崩壊後にテラレジア王家が周辺の諸侯を征服して建国した。テラレジア人による独自の文化圏を持ち、西欧、北アフリカ、南北アメリカの文化圏との関わりが見られる。建国以来王家による統治が行われてきたが、19世紀の末に王政が廃止され、共和制に移行されて現在に至る。


テラレジア王家

テラレジア王国を建国した一族。同国の統治者として長らく君臨してきたが、19世紀の末に王政廃止がなされ、王家とその子孫は一世紀の間大西洋の島に流刑が言い渡された。長い年月の間に国民はそのことをすっかり気にせずにいたが、今になって、あれからちょうど100年が経過した。


『テラレジア・クロニコ』

直訳すると『テラレジア年代記』。王国時代に、王の勅令によって記された王国の年代記のこと。国に起こった出来事や政治の内容が具に記されている。現在テラレジオ・ポストに連載中の、アーク&フェルドの活躍を描いた記事の題名はこの書物から名前を取っている。


テラレジオ・ポスト

大手新聞社の社名であり、その社から発行されている朝刊及び夕刊の名前。ちなみに「テラレジア(Terralezia)」は国名及び王の名で、「テラレジオ(Terralezio)」は「テラレジアの」とか「テラレジア人(単数形)」の意味。


現実の認識

現実とは個人の認識に基づいた主観的なものであり、言うなれば個人の数だけそれぞれの現実が存在する。だから「真実と異なる現実を見る」ということはごく自然に起こり得る。しばしば「カッとなって周りが見えなくなる」とか「お先真っ暗」なんて言い方をするが、このように強い感情は周囲への注意力を散漫させ、その結果として現実の認識が歪みだすことがある。これだけなら現象は個人の範疇に収まっているからいいのだが、困ったことには、知っての通り強い感情は周りにいる人々に影響を与える。こんな時、周囲の人間までも歪んだ現実の認識の中に引きずり込んでしまうのだ。


テラレジアの歩き方 1982年版

作品の舞台となる国「テラレジア共和国」にまつわるあれこれをまとめたガイドブック「テラレジアの歩き方 1982年版」を特別公開!これを読めばあなたもテラレジア通……!?


読切短編「アーク&フェルド」

『テラレジア・クロニコ』の原案となった読切短編「アーク&フェルド」を公開中です。

太陽通りの一番地で頽廃的な生活を送っている王家の末裔アークとテラレジア一の喧嘩屋フェルドは、新聞社の新米記者カノンが持ち込んだ記事で、百貨店の高級ブランド品が次々に盗まれている事件を知る。事件の真相を探るため、彼らは百貨店「エクツェレンツォ」を訪れるが……。


大統領秘書ロディヤ・ハイルモンドの作品案内

あの「濃すぎる」作品案内役が帰ってきた……!?

「雨宿拾遺物語」2023年8月号から、本作の公開に合わせてテラレジア共和国大統領の秘書、ロディヤ・ハイルモンドによる作品案内が掲載されました。作品紹介や各章の予告と共に、彼女によるここだけのぶっちゃけトークも満載。


テラレジア・クロニコ大解剖

この記事は『テラレジア・クロニコ』完結を記念して掲載された、本編の解説記事です。壮大なネタバレを含んでストーリーやキャラクターから作品の形式についてまで、様々な「タネ明かし」をしています。そのため、本編を未読の方は一度本編をご覧になってからお読みになることを推奨します。

※というか先に本編を読まないとこの解説記事も理解できません※