第27号

オープニングエッセイ 雨宿りの小噺

12月上旬だってのにもうクリスマスネタですか?

だって仕方ないんだもん、毎月第一日曜日に更新してる雨宿拾遺物語はちょうどクリスマスの時季を逃すようにできているのです。

とはいってもですよ、この表紙を描いたのは11月の上旬ですが、その頃には既にハロウィーンを過ぎた街は早くも赤色と緑色に染まり始めていました。だから世間の流行に合わせたとも言えなくもないわけです。

僕はもう聖なる何とかにワクワクできるような歳でもなくなってしまって、年末と言えばむしろ有馬記念の方がドキドキする年頃です(どんな年頃だよ)。

それでもね、ちょっとデパートに用事があって出かけた時に、大きなモミの木の、電球がぺかぺかしてて飾りが輝いているのを見ると、なんだかなあ、ちくしょー、『聖なる何とか』って『クリスマス』なんだって、ニコニコしてきちゃうんです。


それで、要らないものまで買って帰る。


雨宿拾遺物語の2022年を振り返る

2022年の雨宿拾遺物語もこれが最後!というわけで、年末恒例の『アレ』やっていきましょう!

雨宿拾遺物語の2022年を振り返る!

……タイトルと同じだから言い直す必要なかったな。


表紙

2022年の表紙イラストはこの12枚!みんなのお気に入りはどれ?

2022年は4月からの『鐵軌の帝國』連載に合わせた四部作が象徴的。アメリカ合衆国の歴史を象徴するイラストと、各号のサブタイトルもそれに関連する内容になっています。有名だからググれば元ネタが出てくると思う。

ちなみに、雨宿のお気に入りは2月号のバレンタインデーに関連したイラストと、8月号の柔らかなタッチで描かれた店長かな。ちなみに8月号のイラストは今のところ僕のスマホの壁紙になっています。

だって俺の嫁だし?


更新

2022年の更新内容は以下の通り。

お嬢店長おかしまし……第16話~第27話、特別編2、特別編3

鐵軌の帝國……第1章~第5章、エピローグ

まがたび……第7話~第9話

超越のみさき……黎明 前後編(第1話~第7話の再編集版)

短編集 HORNET……『おかえり、私の王子様』、『カンニング』、『純な彼女を食らって書いた』、『王国復興譚 前章』、『五月闇』

こうしてみるといろいろ更新したんですねえ。『短編集 HORNET』って今年の連載だったんだ。……というのも、短編集は思い立った時に書いて一定数貯まったら公開するという方式なので、それぞれの作品を書いたのはもっと昔なわけで。サクッと気軽に読めるのでまだ読んだことない方にはオススメですよ。

上半期は何と言っても『鐵軌の帝國』だよね。小説の方は3月には書き上がってたんだけど、マンガ原稿とか、YouTubeに上げる動画の準備とかいろいろやってたらなんだかんだ8月まで作業してました。楽しかったなあ。読者の友人に「続き書かないんですか」って言われたんだけど、もう書けないよ。

みんな大好き『お嬢おか』は第21話~第24話の初の中編、『中辻夏祭り編』が目玉。夏祭り回はずっと書きたかったんだな~。でも『お嬢おか』らしい夏祭り回ってなんだろうって考えた時に、夏祭り当日じゃなくて開催までのあれこれを中心に描くっていうことを思いついたのね。今思ったけど結子店長ってある意味「なろう系最強主人公」っぽいところあるよね。名字が「神之目」だし。

まがたびは、脚本の細部を修正して一話あたりのページ数を減らしました。PDFファイルのサイズ制限のせいで2つにぶった切ってたりしたけど、やっぱり1つにまとまってる方がいいよね。今後もこんな感じで行くと思う。


そういえばこれだけ連載を同時にもってて大変じゃないですかって訊かれたことがあるんだけれども、結論から言うと、書くだけなら大変じゃないです。

というのもテレビのチャンネルみたいにね、それぞれの作品の作業をする時にはパチッと頭の中のチャンネルが切り替わるので、ゴチャゴチャになったりはしないんだ。あと、できる限り一つの作品に集中できるように作業時間を配分してるし。

ただし問題なのは構想を練る時。二つ以上の作品の構想を同時に練ろうとすると、途中から思考が入り混じってお互いの作品に少なからぬ浸食が起きるんだよね。僕は作品ごとに世界観も思想もキッチリ分けて書くようなタイプなので、これは非常に困る。そういうわけで、よっぽどの場合を除いて何かの作品の構想を練ってる時は他の作品の脚本には手を付けません。

同じような理由で、脚本を書いている時期は世の中の小説・マンガ・アニメ・映画にも極力触れないようにしてます。影響受けたくないから。


原稿枚数

2022年に更新した原稿の枚数はこの通り!

マンガ原稿 358枚!!

内訳:お嬢店長おかしまし……219枚、鐵軌の帝國……68枚、まがたび……71枚、超越のみさき……若干の加筆修正

小説 400字詰原稿用紙1095枚分!!

内訳:鐵軌の帝國……387,000文字程度、短編集 HORNET……51,000文字程度

う~ん、そんなに書いたのかあ。作業時間は……計算したくないなあ。

ちなみに2021年はマンガ原稿396ページ、小説80,000字らしいので(第15号より)、マンガ原稿が減った分小説が大幅に増えました。作品執筆のための資料収集時間も含めたら作業密度は確実に去年を超えてます。

要因として、作業環境を向上させたためにマンガの執筆速度が格段によくなったことがあるかと。ここだけの話、『お嬢おか』執筆だけなら週刊更新もイケます。ネタが尽きる+調べ物の時間が足りないのでやらないけど。


今年のハイライト

2022年の更新の中で、作者が選ぶハイライトのコーナー。

今年も数々の名シーンを描いてきましたが、その中で一番に選ばれたのは……これっ!


『お嬢店長おかしまし』 第24話 18ページ

『中辻夏祭り編』最終回の最終ページ。僕はねえ、これが描きたくて夏祭り編を描いたんです。

結子店長が商店街の組合に参加して夏祭り開催を後押ししたのは完全なるボランティア精神です。でもボランティアとはいえ、功労には正当な対価があって然るべき、それは金銭じゃなくて、実に商店街らしい、こういう形でのペイだったわけ。だから僕はこのページが好き。

商店街の人達も、結子店長の正体にはうっすら気付いていたんじゃないかなあ。琴美たち小学生メンバーも、他の人達も、結子店長がただ者でないことは何となく察してる。だけど本人に問うなんてのは野暮じゃないですか。彼女は「やさしいだがしやの店長さん」なら、それでいいでしょって、みんなそう思ってるんです。


……それにしてもこのシーン、「たすけて」って言ってる割には全部玄関に運び終えた後だったりして、なんかおかしいですね。

こまけぇこたぁいいんだよ。


今年のMVP

雨宿拾遺物語の連載作の中で、今年一番頑張ったキャラクターに与えられるMVP、生えある賞を手にするのは誰でしょうか。

みんな頑張っていたけれど、やっぱり一番は、多方面で活躍を見せてくれたこの人に……!


月明雪代(お嬢店長おかしまし)

中辻商店街の文具屋「月明文具店」の一人娘、「雪ちゃん」こと雪代ちゃんは『お嬢おか 夏祭り編』でも活躍していましたし、第25話でも登場していますね。それからなんと言っても第18号では『鐵軌の帝國』の宣伝部長をやってのけるという、オンリーワンな活躍をしてくれました。本編で出てこない専用衣装を用意してもらったのは『お嬢おか 科博コラボ特別編』に登場した三人を除けば初めてのことです。それもこの記事のためだけの特別ですから、初めてと言っていいでしょう。


ここで本人からコメントをどうぞ。

「あ、ありがとうございます。はあー、すごいですねー。あ、他人事みたいな言い方しちゃった、すみません。コメントは……えっと、来月までに考えておきます……。」

総評

以上が2022年の総括になります。お疲れさまでした。

来年の活動予定は来月更新の第28号にて詳しくお伝えする予定ですが(更新日は1月8日だよ!間違えないでね!)、いろいろと仕込みをしています。

『お嬢おか』は、また中編をやります。年一回のペースでやりたい。過去に書いた小説がもう一本ありますので、多少手を加えて公開するかもしれません。新作絵草子、出すかもね……。


……なーんちゃって!来年もよろしくねー!


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