早くも夏らしい様相を呈してきたこの頃の気候ですが、雨宿は暖かくなってくれてとても嬉しいです。活動しやすい上に、眠りやすくなります。
寒い季節は朝早くに目が覚めてしまったり、身体の末端が冷える感じがしてあまり快適とはいえません。それが暖かくなるといくらでも寝られるようになり、二度寝もどんとこいという感じです。
自慢じゃないですが雨宿は子どもの頃からきちんと早寝早起きできるタイプだったのですが、だからこそ「寝る」という行為をすごく大切にしていました。徹夜とか昼夜逆転とかほとんどやったことがありません。
「寝るともったいない」と考えがちな人もいるかもしれませんが、そんな邪険に扱わないで真面目に寝ましょう。「一睡入魂」です。(?)
みなさんこんにちは。雨宿です。
今日はタイトルにある通り、雨宿拾遺物語で現在連載を休止している作品の"今"についてお話ししておこうと思います。
現在の雨宿拾遺物語の連載中作品は
月刊更新の『お嬢店長おかしまし』
不定期連載の『テラレジア・オーダー』
同じく不定期の『南極のサラエ』(メガロニアシリーズ)
ということになっていますが、古くからの読者の方々ならこれら以外にも未完結作品があることをご存知かと思います。
これらの作品はそれぞれ別な事情で「連載休止中」ということになっています。今日はこの辺りについて一度ご説明します。
『まがたび』と『超越のみさき』の2作は現在「連載休止中」です。すなわち「作者が何も作業をしていない」ということです。
もちろん、僕にとってこれらの作品がどうでもよくなっちゃったわけではありません。ちょくちょく思い出して頭の中であれこれ考えたりはするのです。
それを示すために3周年イラストや4周年+第50号記念のキービジュアルではこれらのキャラクターを描いて「忘れてないよ」ということをさりげなくアピールしています。
しかし読者の側からすれば「本編を更新してないんだから言い訳無用じゃ!」という意見でしょう。僕もそう思います。会社の看板シリーズとしてスタメン扱いされている割には肝心のゲーム新作がいつまでたっても発表されないというのは微妙な気分です。(カプコンさん「逆転裁判」の新作出してください)
その話はさておき、ここからは連載休止中の2作について詳しい事情と今後の見通しをお伝えします。
この作品が最後に更新されたのは第26号(2022年11月)です。もうそんなに経ちますか。
連載休止の理由は「脚本の再構成が進まない&作業時間が取れないから」です。
『まがたび』は雨宿拾遺物語創刊当時からの連載作ですが、その原案はさかのぼれば雨宿が中学生くらいの頃に作られました。「地域再発見型冒険ファンタジー」という構想で考えていたストーリーを、雨宿拾遺物語を始めるにあたってマンガ用に台本を作りました。この台本というのは「ページごとに台詞やシーンを文書に書き起こしたもの」で、実はその当時に最終話まで完成させました。
このような"詳細な設計図"がありながらどうして執筆が進まないのかというと、かつて書いた台本はそのままでは使えないことが分かってきたからです。
当時はマンガの描き方などまるっきり分かっていなかったので、今になって台本を見てみると「この内容は1ページには収まらないよ」とか「これだと演出が面白くないよ」ということがたくさんあります。そういうわけで脚本の再構成が必要なのです。
ところが1ページ単位で正確に記述されているせいで、かえって脚本の再構成が難しいのです。「絶対に外せないシーンはどれなのか」、「この台詞は後々の展開に関わってくるのか」ということを一つ一つ検証する必要があって大変苦労しています。マンガの原稿というのはその時のノリで一気に描き上げる方がよいですから、丁寧な検証作業は執筆に入る前になんとしても終わらせておくべきです。
加えて、作業時間が取れない。このWebサイトを作ったかつてのように自由に時間を使えるわけではなくなり、その中で優先順位をつけながら連載に向けた作業を行うので、結果的に連載休止作の作業は後回し後回しになっています。また、『まがたび』のストーリーも現時点では20%に満たないくらいしか進んでません。雨宿が生きてるうちに完結させるためにはどんなペース配分を行なえばよいか、考えていかなければなりません……。
この作品が最後に更新されたのは第15号(2021年12月)です。遠い昔のことのようです。
連載休止の理由は「脚本の再構成が進まない&いろいろ複雑だから」です。
こちらも雨宿拾遺物語創刊当時からのメンバーで、創刊の半年前(2020年春)くらいから準備を進めていました。こちらは『まがたび』ほど詳細に台本を作ったわけではなく、全体のストーリーの流れを大まかに書いた文書が一つあるだけです(それ以上の内容は頭の中にあります)。やはり再構成は必要ですが、書きながら考えていけばいいのでそこまで手間はかかりません。ところが。
脚本の再構成における最大の障壁、それは「取り扱っているテーマの難しさ」です。
このお話を超ざっくり述べるなら「『超越さん』という人智を超越した存在とは何か、『超越さん』はなぜアガタたち『御先』をこの世に"遣わした"のか、それらとの関わりの中で人間や御先はどう生きていくのか、登場人物がそれぞれの答えを探すお話」です。わー、すっごい壮大。作者としてもどう話を持っていけばいいか分からない。
もちろんストーリーの流れや現時点での結末は決まってるのですが、そこに至るまでの演出や台詞回しは、早急に答えを出さずにじっくり考えていくべきのような気がします。
これがとても難しく、楽しい時間です。
加えて、2022年2月からは意図的に連載を休止しています。現在公開しているのは「黎明」編と呼ばれる序章ですが、この後は「源流」編というのを構想していました。ここではロシアと中国の御先が登場し、「超越さん」をめぐる宗教思想との関わりや、圧倒的な力を持つ御先をめぐって揺れ動く国際情勢を描くつもりでした。しかしご存知の通り2022年2月からロシアによるウクライナ侵攻がありまして、このストーリーを描くことがデリケートになってきたので、自分としても一旦立ち止まって考えてみることにしています。これは「落ち着いたら再開する」ことを保証するものでもないし、逆に今だから描くべきこともあるかもしれません。その辺りは自分自身のモチベーションによる部分が大きいです。
さて、こんな記事を書くくらいだから連載再開の目途が立ったのか?と思われるかもしれませんが……
すみません、そんなことはありません。
とはいえ、現時点での今後の見通しだけはお伝えしておきます。
まず最初に、
必ず完結させます。……いつかは。
雨宿は商業連載作家ではありません。更新するもしないもすべて自分の双肩にかかっています。ですから、打ち切りということはありません。どんなお話も自分自身が納得できる形で終わらせたいです。『南極のサラエ』なんかきっと10年以上かかるでしょうが、サラエの生き様を最後まで描き切るつもりでいます。ですから、現在は休止中でもいずれは再開させます。約束します。
読者のみなさんは決して熱心に待っていただくことはないと思います。いつでもいいのです、思い出した頃にふらっとこのWebサイトを訪れてくだされば。僕はいつでもお待ちしています。
でもあんまりトロトロしてるとあらゆるキャラクターが自分の年下になってしまいますね。最初に神之目結子というキャラクターを考えた時、僕は結子店長と同い年でした。それが今じゃ、歳の差は広がっていく一方です。
特にないけど元気に活動中!
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次回もお楽しみに!