【不定期連載中】
王家の末裔アークと相棒のフェルドが繰り広げる活劇。スリルあり、アクションあり、ミステリーあり、ロマンスあり――昭和なオヤジギャグもモチロンあり。環大西洋世界の文化が絶妙に混ざり合ったロマンチックな国、テラレジアでの冒険をお楽しみください。
基本一話完結型の作品。どれから読んでも楽しめます。
・本作は不定期連載です。更新情報は毎月発行の雨宿拾遺物語をご確認ください。
悠久の時を超え、あのろくでなし二人組が帰って来た!?
1980年代の前半、大陸の西の果て、大西洋に面した国、テラレジア共和国。
かつて存在したテラレジア王家の正統な子孫アーク・ウエスト・〝テラレジア〟とテラレジア一の喧嘩屋フェルド・スターのもとには、現実の歪んだような様々な事件が舞い込む。
戦いのカギを握るのは、現実を塗り替える強い感情の力「オーダー」。
かつて存在したテラレジア王家の直系の子孫にあたる。王政廃止に伴い、王家は辺境の島に100年間の流刑に処された……が、このたび100年が経過したので首府に舞い戻ってきた。それ以来、太陽通りのとあるアパートの3階を拠点に、相棒のフェルドと共に「王政復古のための戦い」を続けている。
襟につけた「王珠(おうしゅ)」は王家の三宝の一つで、古くから王に強力な魔力を与えてきたとされる。アークはこれを利用して他人の現実を読み取ると共に、現実を塗り替える「オーダー」を使うことができる。
相手にオーダーを掛ける条件は「心にスキマを作ること」で、オーダーに掛かった相手は現実を支配され、アークの「思い通りにしか」ならなくなる。
いろいろあって10年間の懲役刑に服していた(本当は無実)が、めでたく刑期満了で出所した。この日はちょうどアークが100年の島流しから帰って来た日で、これまた偶然その日に出会ってしまった二人は、首府の下町から「王政復古のための戦い」を始める。
「売られた喧嘩は買う」がモットー。腕っぷしの強さだけではない、ピンチを切り抜ける機転も持ち合わせ、アークのオーダーが合わさった時、無敵の強さを発揮する。
大手新聞テラレジオ・ポスト社の首府分社(アーク&フェルドが住むアパートの下の階にある)に勤める記者。「王の活躍を知らしめる」という目的のもと、二人の活躍を描いた連載記事「テラレジア・クロニコ」を執筆している。(ほぼ実録の「記事」だが、ほとんどの読者は「小説」だと思っている。)
いつも持ち歩くポラロイドカメラは亡き父が最後にくれたプレゼント。歪んだ現実の中でも、写真に撮れば正しい姿を写し出すことができる。アーク&フェルドの妹分としていろいろ振り回されているが、持ち前の明るさとここぞという時の判断力は二人を大いに助けている。
テラレジア清教の尼で、太陽通りの坂のてっぺんにあるサンルーモ教会を管理している。一年前は清教の総本山、バロン大聖堂で修行の身だったが、修行を終えて今の教会に赴任した。尼僧のくせにアークと親密な関係にある破戒尼(あくまで〝プラトニック〟らしいが、それでもダメなものはダメ)。
実はテラレジア王家の分家の末裔で、わずかながら王家の血を引く。フェルドの幼馴染でもあったのだが、いろいろあって家族を亡くし尼寺に引き取られた。在俗の頃の名は「エリセア・メノブロード」。厳しくも優しい性格や、尼僧として強い霊力を持ち、様々な方面からアーク&フェルドを支えている。
テラレジア共和国の前大統領。いろいろあってその座を退き、今は行方知れず。元はと言えばアークたちの敵みたいな存在だったのだが、それも今は過去の話。どこにもいないのに、どこにでもいてそばで見守っている……気がする。
かつてはカノンの父であるフリーカメラマン、カリス・ライカと共に国中を駆け巡っていろいろやっていたらしい。その頃の縁があって、アーク、フェルド、カノン、エリセアの4人には並々ならぬ思い入れがある。
人気絶頂のアイドル 愛称〝メルメル〟
かわユい歌と踊りで大人気の国民的アイドル。花も恥じらう17歳。執拗な脅迫状の被害に遭っていたところを解決してやった。(『歌姫は透明に消ゆ』)
レコード会社「ステルレコ」 ←マネージャー
2F3-1857 ←下宿の電番
歌姫は透明に消ゆ
『テラレジア・オーダー』の前作。本作の1年前、アーク&フェルドが出会った頃からのお話。非常に難解かつトリッキー、たまにメタフィクショナルな作品構成は連載当時から話題だった、雨宿拾遺物語の問題作。
作品の舞台となる国「テラレジア共和国」にまつわるあれこれをまとめたガイドブック「テラレジアの歩き方 1982年版」を特別公開!これを読めばあなたもテラレジア通……!?
『テラレジア・クロニコ』の原案となった読切短編「アーク&フェルド」。
太陽通りの一番地で頽廃的な生活を送っている王家の末裔アークとテラレジア一の喧嘩屋フェルドは、新聞社の新米記者カノンが持ち込んだ記事で、百貨店の高級ブランド品が次々に盗まれている事件を知る。事件の真相を探るため、彼らは百貨店「エクツェレンツォ」を訪れるが……。