南極のサラエ

雨宿拾遺物語が送る長編SFシリーズ。過酷で神秘に満ちた「七番目の大陸」、『メガロニア』を舞台に、各国の思惑入り乱れる開拓後期の時代を生きた女性、サラエ・クロソイド=キリサキの波乱に満ちた人生を追う『南極・オペラ』。


【おことわり】

・本作品はフィクションです。作中のいかなる表現についても実在の人物・事件・団体その他の事柄とは一切関係がありません。

・続編の執筆に大変長い時間をいただいております。ご了承ください。

最新作(2024.11.3公開)


キャラクター

サラエ・クロソイド=キリサキ

本作の主人公。2063年12月25日生。母はブリテンのスコットランド人、父は日本人の混血で、ブロンドの髪に真っ黒な瞳が特徴。

日本政府が南極大陸上に築いた都市「東京市」で生まれ、幼少期を市外の無法村で過ごす。アカデミーの特別課程で訓練を受けるが、修了前に「脱出」し、その後は各方面で活躍し多大な功績を残した。

実父はかつて南極国際開拓機構(IDOM)に所属し、「英傑部隊」の総司令を務め人類の英雄と評されたキリサキ司令である。


セーブル

サラエに付き従うクロテン型のロボット。かつて大ヒットした家庭用ペットロボットシリーズ「アニマ」のうちの一体であるが、改造によって各種センサーや怪獣用のスキャナーを搭載しており、野外作戦に最適化された特別仕様。

ある時からサラエと行動を共にするようになり、彼女の相棒(彼氏?)としてかわいがられている。


ストーリー

2040年代に突如蒸発した旧南極大陸に代わり、南半球に出現した「七番目の大陸」、メガロニア。

そこは絶えずうねり、動き続ける大地が織りなす過酷な環境と未知の生態系が広がり、極めつけは旧大陸のいかなる生物をも凌ぐ巨大な原生生物「怪獣」たちが跋扈する神秘の大陸であった。

旧南極大陸の蒸発とその後の北半球の寒冷化により壊滅的な被害を受けていた人類が、この厳しくも豊かな手つかずの大地に自らの生存圏を見出したのは必然であった。

世界は「南極国際開拓機構(IDOM)」の下に団結し、己の生存を懸けた開拓を開始した。


それから30年以上の歳月が流れた、2080年。

六列強が熾烈な開拓競争を繰り広げる南極に、一人の女性がいた。

サラエ・クロソイド=キリサキ。


〝南極〟と呼ばれた女の、意志が拓く物語。


タイムライン

2040 旧南極大陸の蒸発開始

大陸全土の各観測拠点にて氷床下での異常震動を検知、その後数年の間に陸塊が海面下へ沈降し、氷床は急速に融解した。氷床は幾度となく大崩壊を起こして巨大な津波を発生させ、蒸発した水分はやまない雨となって世界中に降り注ぎ続けた。原因は現在に至るまで未解明。同時期に北半球の寒冷化が起こり氷床が拡大したが関連は不明。


2048 南半球に新大陸(メガロニア)が出現

2週間ほどの間に南半球の地形が隆起、おおよそ南緯50度以南の地域をすっぽり覆う巨大な陸塊が出現した。国際調査隊は荒れ狂う周辺海域と大陸全周を覆う平均標高2000mの垂直岸壁によって上陸を阻まれたが、数度の遠征によって同大陸が地球上のどの環境とも似つかぬ未知の生態系を持つことが明らかになり、これを『メガロニア(メガロニカ大陸)』と名付けた。

2050 南極国際開拓機構(IDOM)設立

メガロニカ大陸は新南極条約によってどこの国の主権も及ばないものとされた。そのため同条約に定められた方針に基づき、南極大陸の調査・開拓を目的とした国際組織が設立された。これを南極国際開拓機構(IDOM)という。ここから2063年に六列強を含む各国がIDOMを脱退をするまでに、IDOM主導で行われた開拓期を「開拓前期」と呼ぶ。




2063 IDOM体制の崩壊

この年に六列強を中心とする多数の国家がIDOMを離脱、南極大陸に正規軍を上陸させ独自の開拓を開始した。新南極条約は形骸化、人員と資金を失ったIDOMは活動を縮小せざるを得なくなった。これ以降、各国の勢力争いという図式で開拓が進んだ期間を「開拓後期」と呼ぶ。

2063.12.25 サラエ誕生





To Be Continued...


セーブルと学ぶ 南極講座

サラエの相棒(彼氏?)、ペットロボットのセーブルと一緒に本作の世界観を学ぶシリーズ。膨大な設定資料の中から、本編を読み込む手がかりになる情報を選りすぐってお届けします。

一部本編のストーリーに関わる内容を含みます。()内に書かれた本編の章立てと対応するように読み進めるのがおすすめです。