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霊舞踊るディスコ

    私の名前はP-borg。超合金のパーツと生体ユニットを組み合わせて造られた機械化生命体。一般に「サイボーグ」と呼ばれるものだ。機械知能が持たぬ人間の「心」、それを知るためにテラレジア清教の司祭となった。

    私の身体は機械と生体とが互いの欠点を補うことで恒常性が保たれており、人間・ロボットどちらをも上回る性能を持っている。ロボットよりも柔軟に動き、人間よりも丈夫だ。先日も清教会総本山の会合があったが、柔軟な立ち回りによってすべての役職と重要な職務の任命を回避し、会議が膠着した際は休憩無しの超長期戦を展開、他の司祭が空腹や便意に堪えかねて折れるまで粘ることで完全な勝利をものにした。これで私は諸国を巡る修行を続けられるというものだ。万歳。

    次回の『テラレジア・オーダー』はカノン・ライカ嬢とその母君が登場する。機械化生命体である私に家族はなく、機械知能に感情は搭載されていない……だからこそ、人間の親子というものは実に興味深い。「母のフォトグラフ」を待たれよ。


    久しくアーマーを外していなかったが、やはり身軽でよいな……。