第66号

オープニングエッセイ 雨宿りの小噺

初めて学生服を着た時のことを覚えてますか?

厳密には初めて学生服を着るのは「学校と提携しているお店で採寸をしてもらう時」でしょうが……とりあえず登校初日を“初めて”ということにしましょう。

もともと制服それ自体に強い憧れはありませんでした(普通の学ランっぽいやつだったからね!)が、とってもドキドキしたものです。「いよいよ中学生」「自分もこの学校の一員になったんだ」という思い――そういうものがあの少しダボッとした、でも真新しい服に込められていたように思います。


『お嬢おか』最終章では琴美たち小学生組が中学に入学しました。これはずっと前から構想していたことです。これまでずっと“サザエさん時空”で止まっていた作品の時間が動き出したこと、それに合わせてキャラクターたちが成長していくこと、そういうものの象徴が琴美たちの学生服姿です。

描いていたら、彼女たちが急に大人びたように見えて、不思議な気持ちに包まれました。

現実の子どもも、こんな風に大きくなっていくのかな……なんてね。


【重大告知】雨宿拾遺物語の活動形態が変わります

やけに仰々しいタイトルで始まりましたが、今回は当Webサイトの今後に関するお話をします。

ひとことで言うと、今年の下半期から雨宿拾遺物語の更新の頻度が変わりますというお話です。


これまで雨宿拾遺物語は「Webフリーマガジン」と題し「Web上で発行する月刊誌」として毎月ご愛顧いただいてきました。更新日は毎月第一日曜日とし、マンガをはじめとして様々なコンテンツを公開して参りました。

ですがこの度、2026年7月から発行の頻度を変えることといたしました。「毎月更新」から「1シーズンに一号の年四回更新」に変わります。発行日はこれまで通り、更新する月の第一日曜日です。

くわしい経緯をこれからご説明します。


活動形態変更の経緯

最初になぜこのような決定に至ったかをお話しします。

ズバリ、「2026年度以降、活動に費やせる工数が大幅に減少するため」です。

2020年10月の創刊以来、雨宿拾遺物語は管理人雨宿拾遺の個人Webサイトとして、たった一人の手で運営されてきました。毎月一度も欠かすことなく発行され、バックナンバーは60以上になっています。

思えば2020年といえば、世界的に新型コロナウイルスが流行した年。何もかもがオンラインになった令和の世の中で雨宿拾遺物語は産声を上げたのです。その活動には作者自身の「おうち時間」が大量にあったという“恩恵”も大きいものでした。

あれから6年、世の中も、そして雨宿拾遺の生活も大きく変わりました。以前と比べて活動に費やせる時間は確実に減少し、そうした中で毎月の更新が自らにとって重いものになっていたのも事実です。精神的な意味ではありません、作業の工数という意味です。

工数とは、(作業時間)×(作業人数)で表される「仕事の量」のことです。当Webサイトの場合、活動しているのは雨宿一人ですから、工数=作業時間と捉えてもらっても問題ないです。

ここで簡単な試算をしてみます。これまで、一か月の間に雨宿拾遺が雨宿拾遺物語としての活動にかけている工数が10だったとします。この内、作品の執筆が5、毎月の更新作業(表紙イラストや特集記事、Webページの作成)が3くらいで、残りの2がそれ以外の活動(ネタの取材、新作の構想、再来月以降の更新に関する作業)にあてられていました。

ところが、今後は雨宿自身の生活の変化によって毎月の工数がせいぜい5か、それ以下になると思われます。この状態で毎月更新しようと思うと、更新作業に3を費やし、作品の執筆やその他に2しかあてられないことになります。これでは息切れしてしまいますし、更新内容のクオリティにも悪影響が出ます。

そこで、更新の頻度を変えることにしました。

「二ヵ月に一回」とすると、二ヵ月分の工数は10。これだと今までと同様の配分になり、更新を続けることはできるのですが……それぞれにかけている工数が変わらないので「ただ更新頻度が減っただけ」になります。

そこで、思い切って「三か月に一回」にしました。実生活の方の繁忙期なども見越して余裕を持たせつつ、これなら新しい活動にも工数をかけることができます。

こういった経緯で、この度活動形態の変更に踏み切ることにしました。


2026年の雨宿拾遺物語の更新

2026年の雨宿拾遺物語の活動は以下のようになります。

6月まではこれまで通り毎月更新します。『お嬢店長おかしまし』最終章を更新し、6月号で一旦完結という形を迎えます。

7月からは前述の通り、三か月に一回の更新となります。7月、10月、翌年1月、4月……という形で、それぞれ「○○年春/夏/秋/冬号」として発行します。(バックナンバーから継続して「第○○号」という表記も続けます)

今しばらくは毎月更新ですので、忘れずにチェックしてくださいね。


今後のコンテンツ

毎号の更新内容はこれまでと同様、「表紙」「雨宿りの小噺(オープニングエッセイ)」「特集」「連載作品」「お知らせ」「裏表紙」という基本構成を踏襲します。

「連載作品がどうなるのか」というのがもちろん気になるところですよね……?

『テラレジア・オーダー』『南極のサラエ』の両作品を軸に更新していくことと思います。『サラエ』は第○部という構成はそのまま、それぞれの部をいくつかに区切って更新するつもりです。それ以外の作品も執筆次第更新していきたいです。(休載中の作品、過去に書いた小説なども公開できたらいいな)

残りの工数で既存のコンテンツの改修(作品の加筆修正、Webページの改装)も順次やっていきたいと考えています。本当はいろいろ進めるつもりだったのに、今のところ進捗がほとんどありません……。

更新が減る分、SNSの活動を強化していきたいですね。近年のSNSの変化の目まぐるしさには時々胸がつっかえる思いがしますが、若者として少しは頑張らねば……。

その他、1シーズンに一号の更新となることから、季節感のある新コンテンツなんか作れたらいいな~と思いますが……まずは新活動形態に慣れてみないことには分からない。

もともと個人でゆるくやっている活動です。その初心を忘れず、自分のペースで進められたらいいな。



最後に、今回の発表に関する私見をば。

正直なところ、更新頻度を減らすという決断はかなり悩みました。これまで多少キツい時があっても、意地でも毎月更新だけは守り続けてきましたから。一方で、身の回りがそんな悠長な事言ってられないくらい変化しているのも事実です。

「一度更新頻度を下げることを許したら、そのままなし崩し的に活動がフェードアウトしてしまうのではないか?」

そんな恐怖がありました。それでも、こんなことを思い出しました。

もとより、僕は「描かなきゃ死んじゃう病」なのです。

過去には丸々一か月くらい、一切タブレット(デジタルで絵を描く機器)と向き合わなかった頃もありました。それでも「もう描かなくていーや」なんて思うことはなくて、新しいアイデアを「描かなきゃ」という気持ちが湧き出てきて仕方なかった。「描かなきゃ死んじゃう病」です。

だったら、フェードアウトの心配なんて杞憂じゃない?それよりも、忙しくて何もかもが適当になってしまうことだけを恐れるべきです。

この決定は、今後の活動を持続可能なものにするための「前進」である――今はそう考えています。

読者のみなさんからしたらそんな簡単な話ではないかもしれません。「残念」「さっさと続きを書けよ」そう思うかもしれません。一旦はこのWebサイトを見守ることから離れてしまうかもしれません。

でも大丈夫。「そういえばあんなWebサイトあったな」と思い出した頃に、また覗きに来てください。

僕はいつでもここで待っています。

だってそのために個人Webサイトでの活動を選んだんだもの。


新活動形態は2026年の7月からスタートです。

今後ともよろしくお願いします。


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