突然ですが……神様っていると思いますか?
もちろん、信仰上の話ではありません。『解釈上の問題として』です。つまり、質問を言い換えれば、
「何かの事象が起きた時にそれを『奇跡』『運命』『神の悪戯』などと解釈することがありますか?」
ということです。これは特定の宗教や宗派に限らず普遍的に通用する問題です。
「こんな話をするくらいだからお前には何か考えがあるんだろう」とお思いでしょう。僕の考えからすると……分かりません(笑)
ここ最近、とある人とのかかわりの中で、かなりありがたいことがありました。しかし振り返って考えてみると、その人とは昔っから偶然のめぐり合わせが多かった気がします。人間は何でも自分に都合のいいように考える生き物なので、偶然が重なるとやはりそこに『奇跡』だとか『運命』、ひいては神様の力を感じてしまうものです。
脳内の自分はそこですかさず「いやいや単なる偶然だから」と冷静に反論します。するとさらに脳内の別な人格が「運命でもいいじゃん、神様最高!」と元気に言い放ちます。
脳内でこんなやり取りをしょっちゅう繰り広げているので、最初の質問の結論は出ません。みなさんはどうでしょうか。
今月で雨宿拾遺物語は5周年!毎月更新を続けてきたWebフリーマガジンは第62号まできました。
62号ということは、表紙・裏表紙もこれまでに62枚描いてきたということです。今月号ではそんな雨宿拾遺物語の表紙・裏表紙を特集していきましょう。
……あれ、この導入先月号でもやった?……まあいいや。
過去の表紙・裏表紙は以下のページから見ることができます。知ってた?
先月号に引き続き今月も表紙・裏表紙特集。今月の特集ではこれまでの表紙イラストの中から作者の雨宿拾遺が印象深いものをいくつか取り上げ、だらだらと思い出を語ります。さしずめ「表紙版・今月のピックアップ」といったところです。
記念すべき最初の表紙。印象深い理由は、説明するまでもないですよね?最初だからです。
今にして思えばトリッキーな表紙イラストです。まだ活動を始めたばかりでデジタルで絵を描くことそのものに慣れていなかった段階でありながら、このイラストは「上から見下ろす構図」「水たまりに雨上がりの空が映り込む」「雲形のエフェクトにイラストを描き込む」という、極めて珍しい演出を行っています。それだけの熱の入れようが感じ取れます。雨宿拾遺物語では日々新しい表現を模索しながら活動していますが、この頃から試行錯誤の片鱗が見て取れるんですねえ。
1周年記念の第13号の表紙。1周年の「1」と結子店長(制服ver)。
なぜ印象深いかというと、この頃自分のスマホの背景をこのイラストにしていたからです。今でもこのイラストを見ると前使っていたスマホを思い出します。
ところで、さっきの第1号のイラストと共通して、結子店長が歯を見せて笑っているのにお気付きでしょうか。しかし本編の結子店長はめったにこんな笑い顔は見せませんよね?なぜでしょう?
どうやら結子店長は一人きりの時だけ茶目っ気が出るようです。みんなの前では無意識にお嬢様っぽく振る舞ってしまうのですが、一人だとちょっぴりやんちゃな部分が見え隠れするようです。(そういえば、本編第1話でも送迎を呼ばずに寄り道しながら下校してましたね。)その性格が表れているのがこの表情、ということなのです。
『鐵軌の帝國』から四部作の表紙です。
『鐵軌』はwebページの作り方までこだわった作品なので思い出深く、この表紙たちもその一部です。それぞれがアメリカ合衆国の歴史的な一場面を取り上げており、副題もそれに沿ったものになっています。
第19号がボストン茶会事件、副題はアメリカ独立に深くかかわったベンジャミン・フランクリンの著作から「参加するか、死か」。独立こそが我々の生きる道であるというアメリカ市民の意志をよく表しています。第20号は世界恐慌時のニューヨーク証券取引所。副題は1920年代アメリカの小説家スコット・フィッツジェラルドの著作『偉大なギャツビー』から最後の一節「そして僕たちは進み続ける、流れに逆らう舟のように、絶えず過去へ押し流されながらも。」です。第21号はアポロ11号の月面着陸のシーン。副題はアポロ11号船長ニール・アームストロングの言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である。」第22号は2001年アメリカ同時多発テロで倒壊したワールドトレードセンター、副題はその後にアメリカ軍が発動した軍事作戦「『不朽の自由』作戦」のこと。
『テラレジア・クロニコ』完結後の一枚。本編との相乗効果で感慨深いです。副題が「王国の千年紀」でない理由は本編を読めば分かります。
何を語ってもネタバレになってしまうのでこれ以上はやめておきますが……お気付きでしょうか、このイラストのローガンはよく見ると頬に涙の筋が見えます。そりゃ泣けてくるでしょうよ。
ハイ説明不要。最高。
おそらく、というか間違いなく全表紙イラストの中で一番時間がかけて描いた一枚です。連載作はもちろん、大昔に描いた短編のキャラクターも掘り返しています。いやー楽しかった。
せっかくなのでタイトルなしのイラストを下に載せておき、この特集を終わろうと思います。表紙・裏表紙にも注目しながら雨宿拾遺物語を楽しんでね。
特にないけど元気に活動中!