今月の表紙はお気に入りです。もうすぐバレンタインデーですね。
実は、編集者である雨宿拾遺は先月、ある式典に参加してきました。何かというと、二十歳になった人たちが参加する、アレです。そうです、ソレです。キャー歳ガバレチャウ
卒業以来の中高の友人に会って話したりもしましたが(まんまとこの活動を宣伝したりしてきました。イエーイ見てる?!)、あんまり変わってないですね。髪型くらいかな、変わったといえば。そりゃあそうでしょう、世の中の二十歳というものは大学生なり、社会人二年生なり、高校の頃から大きく人生変わった、なんてことはほとんどないんだよ。
まだ「大人になった」わけでもないのに、何をこの人たちは祝ってんのかね~と、周りをスーツ・袴・振袖に囲まれながら考える。それでも、懐かしのアノ人が晴衣装に身を包んでるのを見ては思うのです。
何も、大人になったことを祝ってるわけじゃないんだな。
二十年、英語にすればTwo Decades、それだけの年月を生きたのだから、とりあえず祝ってみたっていいじゃないですか。歳取ったのを大々的に祝ってくれるなんて、次は還暦まで無いんですからね!?
何が「オトナのビター♡」だよ、チョコの苦味が分かることが大人じゃないよ!甘いのを素直に「甘い」って言える、それだってご立派なことじゃないですか。それを祝う式典を開催したっていいじゃないの。
……僕もチョコがほしくなってきた。余りがないか結子店長に訊いてみます。
さてさて、すっかり恒例の「今月のピックアップ」、本サイトで公開されている作品の一話をピックアップして原作者自らあれこれ語っちゃおうという連載です。
なに?「特集記事にする内容がない時に場当たり的にやってるんじゃないか」って?
そうだよ。
今回は大好評『まがたび』から第3話をピックアップしましょう。
あらすじ
祖父の遺品である勾玉やいろいろの不思議な力を目の当たりにした遊真、夏休みを利用して長崎の大叔父さんを訪ね、これらの由縁を訊くことに。道中で同じような力を持つ勾玉を持つ剣輔に出会い、二人は長崎へと向かう。
ま、こんなものかな。いつものごとくあらすじ書くのへたっぴですね。気にしない。
本作は何と言っても日本を旅する作品ですので、各地のあれこれを自分の画風で描くのがとっても楽しいわけです。例えばこれは6ページ。
上から順にめがね橋、長崎新地中華街、出島の模型ですね。長崎市内中心部にあります。さらに次のページ、
古代文化研究センターのモデルは長崎県美術館です。どれも歩いて回れる距離にあって、実際に二人はここを歩いたのかな~って想像しながら楽しんでくださいね。
ついでに、大叔父さんの邸宅は旧グラバー邸がモデルですが、あくまで「モデル」です。だって
作中で燃やしてるからね。
こうした現実の風景を描くときに必ず守っていることがあります。それは、
写真をトレースするの禁止
最近は「現実の風景にピッタリ重なるアニメ背景」とか人気ですが、僕は絶対マネしません。これはマンガの世界なんですから、多少寸法狂わせても「絵」として描くのがいいと思うんですよ。それに、写真をなぞらないからこその表現もあります。例えば、現実じゃ画角の関係で絶対同時に写せない二つのものを隣り合わせて描くことができます。言うなれば、「清水の舞台」と「富士山」を同時に描くとかね。
そういえば5ページのこれ、
亀山社(株)は、亀山社中から名前を取ってますね(笑)
第3話の重要人物といえば大叔父さんの孫で遊真のハトコ、真子ちゃんですね。大人気ヒロインが初登場です。本作のメインヒロインは音羽ちゃんなんだけど、出番としてはどう考えても真子の方が多い。
じゃあメインヒロインは真子じゃん。
二人のヒロイン戦争の闇は深い……。
大叔父さんの養女として引き取られ、長いこと大叔父さんと二人で暮らしてきました。そんな彼女の塞ぎがちな性格を大叔父さんは自分のせいだと気に病んでいます。
第4話以降の真子の性格を見ると、やっぱりこの頃は大叔父さんを気にして控えめに過ごしていたっぽい?無理して明るく振る舞ってもかえって心配させてしまいそうだもんね。
とはいえ確かに大叔父さんは大叔父さんとしてぶきっちょなところがあります。例えばこのシーン、
同い年とはいえ中学生、ましてや異性なのに「仲良くしてやってくれ」とか言います?
頭撫でながら言うことかよジジイ!
こんなこと言われたら逆に気まずくなっちゃうよねえ?ま、三人がスマブラ好きなら話は別ですが(この時代なら最新作はスマブラXですね)。
そんな大叔父さんも、この話の最後には……。
(余談ですが、特別養子縁組が認められるには「結婚していること」「健康面に問題がないこと」「経済的余裕があること」などが条件のようです。大叔父さんは年齢を考えるといかんせん養子を取るには微妙っぽいですが……その辺はツッコまないでね。)
妖怪の造形は毎話悩みつつも楽しい作業です。なぜ悩むかっていうと、本作の妖怪はシルエットデザインですので、どーしてもデザインに幅を持たせにくい。(誰だよこのデザインにしたヤツ。)
そんな中、黒ベタ一色でどうおどろおどろしさを表現できるか、ここが腕の見せ所なのよね。
第1話は「怖い」系、第2話は「キモイ」系の妖怪だとしたら、第3話は「邪悪」系の印象があります。集団で襲ってきて、しかも家を全焼させるという大きな実害を伴った妖怪。怖いですね。チビりますね。
僕がソッチ系のマンガを描く人だったらここで真子をあれやこれやしますが、この作品は全年齢対象の健全なマンガなのでそんなことしません。
……しませんよ?
さてと、今回はこれくらいにしておきましょう。ストーリー上重要な意味を持つ回なのでネタバレを避けるために重要なことは何も話しませんでしたが、この先のために今一度読み返してみてはいかがでしょうか。
これからも旅は続きます!妖怪も出ます!隠されたヒミツも明かされます!
ポロリはありません!
今後ともよろしく!
特にありませんが、新連載に向けて鋭意執筆中であります!来月の続報をお楽しみに!
読者アンケートにご協力お願いします。回答すると特製壁紙イラストがもらえるよ!
みなさまからのお便りお待ちしております。お便りはこちらから。
次回もお楽しみに!