ということで、
雨宿拾遺、オンラインRTAイベント出演してきました!
「……ちょっと待って、どういうこと?」という方のために簡単に説明しますと、
視聴者約3000人の生放送でゲームを披露してきました!
今回はそのウラ話をたっぷり語った振り返りです!
雨宿が今回出演させていただいたイベントは、『Online Marathon Eventers』様が主催するオンラインRTAイベント『OME Speedrun』です。
「RTA(Speedrun)」とは?
RTAとは「リアルタイムアタック(Real Time Attack)」の略です。ゲームをいかに早くクリアできるかを競うゲームプレイ文化です。プレイヤーは「走者」と呼ばれ、指定された条件のもと、そのゲームをいかに早くクリアできるかを競います。ゲーム内でしばしば見られる「タイムアタック」、それをクリアまで通しで計測するということですね。海外では「Speedrun」と呼ばれ、『Speedrun.com』というWebサイトでは世界中のプレイヤーのRTAレコードが集計されています。世界中のRTA走者が日夜、あらゆるゲームタイトルにて自慢のプレイを披露しています。
Online Marathon Eventers様について
Online Marathon Eventers様は動画配信サイト『Twitch』にて様々なオンラインRTAイベントを企画している団体です。オンラインRTAイベントとは、普段は各走者がめいめいに行っているRTAを、一堂に会してリレー形式でどんどん披露していこうという生放送イベントです。
『OME Speedrun』は2021年10月23日、24日の二日間にわたって開催されました。募集するRTAのジャンルは不問!各走者の方々が、本当に多様なタイトルのゲームで応募していました。雨宿もその一人として出演応募したところ、ありがたいことに当選、参加させていただく運びとなりました。
↑出演記念イラスト。PCゲームで参加したため、配信時は実際にこんな感じでした。(店長はいなかったけどね)
当日の様子がOnline Marathon Eventers様のTwitchチャンネルにアーカイブされています。何はともあれ、まずはそちらをご覧ください!貴重な雨宿の肉声です!
ここからは配信に至るまでのいきさつや配信時のあれこれなど、ここだけのお話をお送りします!
配信振り返りパートでは実際に投稿されたコメントと共に振り返っていきましょう!
今回僕がプレイしたのはカリプソメディア発売『Railway Empire』というゲームです。19世紀~20世紀のアメリカ合衆国を舞台にした鉄道経営シミュレーションゲームです。楽しいのでやってみてね。(PS4、PCで発売してます)
僕はもともと趣味でこのゲームをやり込んでました。このゲーム、本来はタイムアタックするようなものじゃなくてむしろ真逆、あーでもないこーでもないとあれこれ悩みながら進めていくゲームです。
そんなゲームのRTAを始めたのは完全な思い付きです。試しにSpeedrun.comで「Railway Empire」を検索してみたら、RTAをやってる方がいたんです。その方のプレイ動画を見てみたところ、
「これもっと早くできるよな……」
と思い、記録を塗り替えるべく自分もRTA走者としてのキャリアをスタートさせたのです。現在では複数カテゴリで僕が世界記録を持っています。
RTAイベントを視聴するのは大好きです。有名なところでは『RTA in Japan』など毎シーズン楽しみにしていました。
「自分もRTA始めたことだし、イベントに参加応募してみたら……?」
なーんて考えてしまって、軽い気持ちで参加受付期間中だった『OME Speedrun』に応募しました。3カテゴリで応募することができたので、予定時間15分、35分、2時間の三つで応募してみました。長さ的にもバランス取れてますね。
結果としては、15分の「Chapter 1 Any%」というカテゴリが当選。今さらですがまさか当選するとは思っていませんで、出演が決まってから「マジか……」という感覚になってきたのです。
15分ピッタリの原稿って書いたことありますか?僕はなかったです。
出演決定後、最初にやったのは当日読み上げる原稿の執筆。RTAイベントでは、ゲームをよく知らない視聴者のみなさんに向けて、解説がリアルタイムで行われます。有名なゲームなら走者と解説者を分業するんですが、なんせ『Railway Empire』の走者は世界に三人、日本に一人しかいませんからね!!雨宿のワンオペです。
15分ピッタリになる原稿を一発で書き上げるのは難しいことでしたが、ゲームプレイしながらやれば「このタイミングでこの内容……」といった感じでうまく調整していけると思ったんです……が。
しゃべりながらゲームするの無理!
ゲームしてたら黙っちゃうし、しゃべってたらゲームがおろそかになる!
これを克服するにはもう、回数こなすしかなかったですね。何度もやっていくうちに原稿も覚えるし、タイミング合わせられるようになっていきました。実はこの時、原稿を印刷して机の前の壁に貼り付けていました。A4で6枚。すっかりその光景になれてしまって、今は目の前の壁が少し寂しいです。
20回以上は通しで練習したかな。当日の午前中もやって、「これは完璧だ」と思ったんです。それがまさか、ああなろうとはね……。
原稿は全体を通してRTA文化を知らない方でも楽しめるように作りました。RTAイベントは独特のノリがありますが、なにぶん雨宿をご存知の方のほとんどはそんなの知る由もない、といったところですので、中間をとってみんなが楽しめるお話はなんだろうと頭を悩ませたのです。
そこで思いついたのは蒸気機関車と鉄道の話。SLなんて乗ったこともないのに、なぜか郷愁を感じてしまいますよね。専門的な話にはなりすぎず、口で聞いただけでも理解できそうな話。そして、語り口の参考にしたのはプラネタリウムの星空案内人。優しい語り口でみんなを星空の世界に導く星空案内人、時には専門的な話もしますが、不思議とするする頭に入ってくる。あれを理想としました。
本番を前にして、僕のマイクの音質があまり良くないことに気が付きました。ただのイヤホンのマイクだからね。しっかりしたヘッドセットの必要性を感じて、雨宿はPCと周辺機器に明るいお兄ちゃんに連絡をしたのです。
「いいマイクちょうだい!」
ただの他力本願です。後日、郵送でちゃんとしたヘッドセットが送られてきたのです。
23日にDay1がスタートした時、平均視聴者は900~1000人くらいでした。全校生徒よりは多いかな?くらいの人数ですね。これなら大丈夫そう。なーんて思ってたんだけど。
24日、視聴者3000人超。
日曜日になるだけでこんなに違うの?僕がそわそわしながら出番を待っている間も、視聴者が減る気配はなく。おそろしい。
僕の放送枠の一つ前は、お三方+解説お一方による『スーパーボンバーマン5』。大人気、今は亡きハドソンの『ボンバーマン』シリーズ。
その頃僕は運営さんに配信チェックをしていただき、PCで配信、スマホで放送を視聴、もう一台のスマホで運営さん指示を待つという感じ。緊張が高まります。
嬉しかったことが一つ。『スーパーボンバーマン5』解説のやおよろず様に「次のゲームは雨宿拾遺さんによる『Railway Empire』」と名前を呼んでいただいたこと。やおよろず様は以前『RTA in Japan Online 2020』で『スーパーボンバーマン4』をプレイなさっていたのをリアルタイムで拝見していたので、画面の向こうの有名人に自分を認知してもらった感覚、これ嬉しい。
とか言ってたら自分の番。運営さんに「では配信始めます、合図があったら話し始めてください」と言われ、緊張MAXに。
ええい、どうにでもなれ!
ここからは生放送で寄せられたコメントと共に、本番を振り返っていきましょう!
滑り出しは快調な語りと共にいよいよ本番がスタートします。
レジュメ助かる
今回は短時間ゆえにゲームの説明があまりできない+写真資料があった方が分かりやすい という理由で配布資料を作りました。「レジュメ」と言う割に、パワポのスライドだったけどね。
コメリカ
「コメ+アメリカ」これ普通に面白い。
出発進行!
RTAではタイマースタートと同時に「GL(グッドラック)」とコメントするのが通例です。しかしこのゲーム、レギュレーションで定められたタイマースタートのタイミングが測りにくいので、その前にみんなで掛け声を合わせることにしました。みんなありがとう。
おじさん(魚)
これはきっと「オジサン」というスズキ目の魚のことを言ってますね。ヒゲが生えてるのは同じですが、そっちじゃありません。
おじさんが親
おじさんは親じゃないです。余談ですが、僕の両親は雨宿の活動を認知しています。
たったこれだけ?
みんなコメントしてくれてありがとう。一件もコメント無かったら自分で打ち込もうかとも思った。
はちみつ
「機関車が何で走るかご存知ですか?」という質問に対する答え。なにそれ?
何か元ネタあったら気付かずスミマセン……
さて、このあたりで僕はとんでもないミスをしでかしたことに気付きます。ちょうど、機関車の水と石炭の消費量の話をしている時です。ショックで一瞬手が止まっていますが、とりあえず原稿は読み続けました。なんと、
おじさんの指示をやるの忘れていて、おじさんの台詞が全然進んでませんでした。
「カメラ操作を学ぶ」という最初の最初の指示、左下のおじさんはずっと同じことを言っているのに、それを見る余裕がなかったのです。本番の緊張っておそろしい。
GABAです☆
あくまで明るく振る舞いつつ、この時内心はめっちゃ焦ってます。「どうしよう予定タイムより遅れる……」「原稿とゲームプレイのタイミングズレる……」
余談ですが、「GABA(ガバ)」はRTA界隈でにわかに流行っている語録です。詳しくは『RTA in Japan RACING LAGOON』と検索してください。
なーんてこと言っている間に、もう一つ大きなミスをしています。タスククリアに必要な列車を一本編成し忘れています。それに気付くのはもっとあとのこと。
ガバは起こるさ
『きかんしゃトーマス』の劇中歌『じこはおこるさ』とかけたネタですね。これ面白い。
レールと車輪を砂でサンドするんですね
すき。
RTAも後半に差し掛かる頃、予想外の事態に雨宿は手と口と頭が別々に動いていました。
いつものチャートが崩れてあれこれ画策する手、記憶した原稿のまましゃべり続ける口、進行の遅れといずれ足りなくなる原稿に対して次は何を話そうか必死に考えている頭。背筋に嫌な汗が流れます。
車はアメリカで生まれました日本の発明じゃぁありません
アーノルド・シュワルツェネッガー主演『コマンドー』で自動車販売店の店員が言う台詞です。実際、アメリカ人でこんな勘違いしてる人いるんですか?
ファイナルホーム
『RTA in Japan 2020』で『ファイナルソード』のRTAが行われて以来、度々目にする「ファイナル○○」。終点は「ターミナル」です。
ここでもイギリス仕草が
鉄道の左側通行・右側通行の話について。日本の鉄道が左側通行なのはイギリスから輸入したから、で間違いなさそうですが、それ以前に日本では左側通行が文化でした。現在はイギリスの旧植民地の国々を中心に左側通行となっています。
アリガトウ
「線路で文字を作る」というアイデアは割と直前に思いついた案です。最後の締めにいい栄三はないかと思って、いろいろ考えてるうちに本ゲームのDLCコンテンツ「日本」マップで文字を書くことにしました。
無限エクスプレスさん1?
蒸気機関車でタイムリーな話題ないかと思ったらいいのがありました。『鬼滅の刃』の『無限列車編』。ちょうどアニメも放送中だったのでね。最後の列車を「MUGEN Express」という名前にしてみました。
「○○さん!?」というのは『RTA in Japan』でしばしば見るコメント。当イベントを毎回協賛しているアパレルブランド『無敵時間』様のことを視聴者のみなさんはこう呼びます。元ネタは『RTA in Japan』で集まった寄付金の寄付先である『国境なき医師団』を『国境なき騎士団さん!?』と空耳したコメントが始まりだったかな。
何はともあれ、ダイレクトマーケティングも終わり、これで放送終了です。終わった後もしばらくドキドキが収まりません。
綺麗に締めた
終わり良ければ総て良し、だよね!?
大きな失態をやらかしたのは反省です。結果的に放送時間が与えられた枠をはみ出してしまいました(2分ちょいオーバー)。時計には正確に。
後半いけばいくほど、焦って早口になってしまいましたね。聞き取りにくかったらスミマセン。
何はともあれ、みなさんの前でゲームができたのは本当に楽しかったです!
コメントしてくださった方々もありがとう!
今回のイベントを通じて、貴重な体験をさせていただくと共に、僕自身も楽しい時間をすごすことができました!運営の方々、協力してくださったボランティアの方々、走者のみなさんに視聴者のみなさん、イベントに関わったすべての方に感謝申し上げます!本当にありがとうございました!
僕はまだまだ諦めてません!『Railway Empire』という好きなゲームを布教するためにも、より洗練されたRTAテクニックを披露するためにも、もっともっと頑張っていきますよ!
それじゃ早速、ゲームしてきます……。