今年の夏はどこかに出かけたって人も多いのではないでしょうか。
大きな旅行でも、小旅行でも、出かけるのはいいことですね。目新しいものを見て回ることで刺激を受け、それが新たな発想につながることもよくあります。雨宿においても構想に行き詰ってはふらりとどこかに出かけて、頭の中をすっきりさせてからもう一度作業に取り掛かることをよくやります。
なんて言ってると、「"作品の構想のために"出かけてる」という仮言命法的になってしまってよくないですね。あくまで「出かけるために出かける」のでなければなりません。その過程で副産物的にいいアイデアが浮かぶってのがあるべき姿です。
「……おっ、ここに書いてある内容、『お嬢おか』の連載に使えそうだなあ。」
……って、言ってるそばからいかんいかん。
はい、音羽です!
「『まがたび』が10か月ぶりに連載再開するからこれまでのあらすじを話してほしい」って聞いたのでここにいるんですけど、何のことかよく分かりません。
とりあえず、用意された原稿を読みますね!
雨宿拾遺物語の人気作、地域再発見型現代冒険ファンタジー『まがたび』が10か月ぶりに連載再開です!お待たせしてごめんなさい!
今月更新された第7話を読む前に、これまでの話をほとんど忘れてしまった方のためにここでストーリーをおさらいしておきましょう。
鹿児島県霧島市に住む中学三年生、遊真は彼女(?)の音羽……「(?)」って何よ?別にそういうんじゃないし……や友達に囲まれてのほほんと暮らしていました。
ある日、おじいちゃんの遺品を整理していた遊真は箱の中から謎の勾玉、錫製の剣と盾を見つけます。お母さんもそれが何か分からないというので休日に音羽と一緒に鑑定してもらいに出かけたところ、道中で黒い影のようなバケモノに襲われてしまうのです!絶体絶命のピンチ……!その時、彼の持っていた勾玉が光を放ち、彼に不思議な力を与えました。力をまとった剣で無事バケモノを退治した遊真、何か得体の知れない力を解放してしまったみたい。
いよいよ気味の悪い話だけど、遊真はものすごく興味をもってしまいました。バカだからね、そういうところ。長崎に住む大叔父さんは史跡の研究をしており、彼に訊けば何か分かるかもしれないと思って夏休みに一人で長崎の大叔父さんを訪ねる旅に出たのです。
遊真は道中で人吉市に住む剣道場の跡取り息子、剣輔、大五郎大叔父さんの養女で遊真のハトコにあたる女の子、真子と出会います。どんな偶然の巡り合わせか、ひょんなことから彼らも同じような勾玉を持っていました。そして、バケモノの襲撃も一度きりではなくって……その度に彼らの勾玉は光を放ち、バケモノを倒す力を与えるのでした。
長崎に到着し、大叔父さんから話を聞きます。遊真たちを襲ったのはこの世の邪悪の化身、妖怪変化。そして勾玉は、それを持つにふさわしい者が手にすることで、その者に妖怪を打ち払う力を与える特別なものだと言うのです。
大叔父さんは言います、「勾玉の力に目覚めたからには、行かねばならない場所がある」。それは――北海道。その時、大叔父さんの家をたくさんの妖怪が襲います。遊真たち三人を逃がし、一人で妖怪に立ち向かっていった大叔父さん。それ以上の話を聞くことは叶いませんでした。
なにがなんだか分からないまま、三人の北海道への旅が始まったのです。
とまあ、ここまでが序盤のあらすじ。こんな原稿を渡されてるけど、私、
ここまでの話を何も知らないって設定なんだよね……。
さてさて!気を取り直して第7話につながる第6話のあらすじ、行ってみよ!
三人は広島県に入り、「楽しそうだから」って理由で宮島に寄り道しました。観光をしてたらいきなり「勾玉を奪いに来た」と語るナイフを持ったお姉さんに襲われてしまいます……!驚くことにお姉さんもまた勾玉を持っていたんだって!命からがら逃げだした三人、たまたま会った倉橋という人が彼女について教えてくれました。お姉さんの名前は呉響子、日本統一を目論む反社会組織「天武党」の一員で、ケンカの達人。どういうことかは分かんないけど、天武党という組織は勾玉に深いかかわりがありそうです。初めて出会った自分たち以外の勾玉使い、その存在を恐れつつも、手がかりを得るために三人は天武党の支部がある広島市を目指すのでした。
遊真ったら、知らない内にどんどんややこしい話に巻き込まれて、一体どうなっちゃうんだろ。
北海道を目指す旅はまだまだ続くよ!それから、私の出番もあるみたい。ホント!?
あと、ここにちょっとしたメモが置いてあって、読みますね。
「作者です。あと何年かかるか分かりませんが、とりあえず近畿までは行きたいです。」
だって。何のことかな。
ではでは、音羽でした!
来月、10月4日をもって雨宿拾遺物語は創刊2周年を迎えます。当時から読んでくださってる方も、今日初めてご覧になった方も、感謝申し上げます。
そういえば「結子店長のお誕生日はいつですか」って訊かれました。
分かりやすいのでもうこの日にしてしまおうかなあ。
今月号更新の『お嬢おか』第24話をもって中辻夏祭り編は完結!応援ありがとう!
来月からはまた通常更新。結子の周りでさらに広がる人々のつながりにもご注目。
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次回もお楽しみに!